最近ゲーム以外のお仕事をやっていて、
たまには自分の本職(?)であるゲームのグラフィック周りのことでも
真面目に書いてみようかと思った次第。
結構長くなりそうなので場合によっては何回かに分けてみようかな。
多分今回は文章多めの予感とりあえずいってみよー!
ローカライズ(多言語化対応)
なぜにローカライズ(多言語化)?と思うかもしれないけれども、
ローカライズ対応というのもUI(2D)デザイナーの大事なお仕事。
もちろんだけど翻訳する側でないのであしからず。
翻訳家に各言語翻訳してもらったものをゲーム内で表示できるようにするお仕事。
開発会社やゲームにもよるけど、
例えば、ワールドワイドに発売を予定しているゲームの場合に、
まずは母国語(もしくは英語)で開発を進め、
のちにローカライズ対応をして諸外国でも販売およびリリースするために必要なことです。
開発初期段階で、ローカライズ対応が必要か否かは最低欲しい情報だと思います。
たまーに、このあたり適当な会社やディレクターがいたりするけど、
決めないで開発を進めると制作サイド(デザイナーやプログラマー)が
痛い目みるだけなので、確認は必須かなと個人的には思ったりします。
ローカライズ 基礎知識
ローカライズ(多言語化)は単純に文言を変えれば良いという作業ではなく、
いくつか注意するところや対応しないといけないものもあるので、
知識として知っていないと結構困ったりもします(意外と忘れがち)
もちろん、開発状況や規模、ローカライズする国などでも変わってくるので、臨機応変に。
基本的には文言まわりは専門の翻訳家にまかせてコピペが基本(自分で打ち込まない)
各言語ごとの文言での主な注意点(一例)
日本語
平仮名、カタカナ、漢字、アルファベットと表現が多い。
漢字の場合、常用漢字のどのあたりまで使用するか基準も必要。
漢字にルビが必要か否かで行間なども変化する。
ルビ対応はとにかく面倒。
英語
アルファベット表記の多言語の基準として使用しやすい(最初に日本語で開発の場合、とりあえずは英語をたたき台に)
ディセンダにより日本語とはベースラインが違う(y座標が変わる)
大文字、小文字の使い方の区別など、ネイティブによってのルールがある場合も。
欧州英語と米国英語で違いがある場合も、販売地域などによってルール決めは必要。
フランス語
アクサンテギュなどの綴り字記号によりBody Heightが変わる。
疑問符、感嘆符、コロン、セミコロンの前にはスペースが入る。
イタリア語
男性名詞・女性名詞がある(場合によっては使い分けも)
ドイツ語
基本的に長い(長い言語のイメージがゲーム業界ではなぜか定着済み)
ダイアクリティカルマークの発音区別符号によりBody Heightが変わる。
男性名詞、女性名詞、中性名詞がある(ゲームで使い分けたことないけど)
スペイン語
フランス語のようにアクサンテギュなどの綴り字記号がつくよ。
疑問符、感嘆符は前方と後方に表示(前方は逆疑問符/逆感嘆符になる)
オランダ語
英語に似てたり、ドイツ語に似てたりと、他の言語と近い感じになることが多い印象。
中国語(簡体字/繁体字)
日本語の漢字とは違うことがあるが、なんとなく意味は理解できそうな感じ(漢字)が多い。
簡体字/繁体字でそれぞれ別に言語化は必要。
漢字ベースなので日本語を基準に作業するとやりやすいかも。
文字数が極端に少ないことも多い。
朝鮮語
理解してないと正直読めないので判別が難しい。
中国語と同じで極端に文字数が少ないこともあるので注意。
細かいフォントサイズだと結構読み辛く、場合によてはデザインがつぶれることある。
ロシア語
アルファベットに似ている記号のような文字がある(顔文字感がすごい)
アラビア語
こちらも読めないと判別難しい。
右から左へと読む。
などなど、ざっとあげた基本的なことだけでも結構注意点はある。
言葉って難しいね。
その他の注意点
ローカライズには文言だけではなく、
記号や文化などに関連するものがあったりなかったり。
有名なところだとコンシューマの場合コントローラーの決定ボタンが
日本と海外では逆だったするし、
“〇”などの表記が使われる場合は、
海外版では“✔”(チェックマーク)に差し替えたりも。
表現が国によって違う場合はもちろん対応必須。
また、UX寄りではあるが、色味は国ごとに意味や印象がかわることも
留意しなければならず、極稀に対応が発生することもあるので覚えておいて損はない。
日本語での英語表記あれこれ
日本語版には英語表記の文言も普通に使われてたりする。
例えば“OK”とか“Back”とか“Start”など、ゲーム内に結構多いかと思う。
例えば、ローカライズが英語版・簡体字・繁体字版のみだったのして、
これってローカライズするものなのか?
――答えは、
基本的にはローカライズ対象にするのが間違いないというか、するべき。
ゲーム開発の場合ローカライズ対象をするものはまるっと、
システム的に差し替えたりする手前、
個別対応とかは出来るだけ無い方向で実装されることが多く(例外もあるけど)
疑わしいものは対応しておくに越したことはない。
そもそも日本語版での英語表記と、
海外での英語版で文言が全然違うなんてことも普通にある。
上記で挙げている日本版で“OK”だったとしても、“okay”と翻訳されたり“O.K.”という風に表現されたり、
使い方や意味合いによっては“confirm”などの違う単語になる場合も。
また中国語圏などでは、「英字などの外国語の使用禁止」などの要求があって、
すべて母国語(中国語表記)に変更しなければならない場合も最近は多い。
今回はここまで
開発状況や環境、レギュレーションなども会社によってさまざまだとは思うけど、
基本的にはこの辺りを頭の片隅にでも入れておくと良いのかも?
ってのを今までいろいろなタイトルでローカライズ対応してきて
思ったこと記載してみました
たぶん他にもいろいろ場合によってはあるかと思うけどね。
(なんか忘れてることありそう)
ローカライズは初期から対応しておくか、してないか、で、
ほんと後の作業工数に差がでるので大変な目にあわないためにも
根回しは必要で(デザインとかにも影響あるしね)
まじで地味に面倒な作業。実際の対応期間も短いし。
やりたかねぇなー(ほんね)
次はローカライズの必要があるテキストのテクスチャについて書いています。
大幅に作業を時短できるスクリプトも紹介しているのでよかったら使ってみてくださいな
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